昨年、原発事故対応の激務でうつ病になり東京電力に対し労災申請をした、東京電力元社員の一井さんのことがニュースになりました。
一井さんは原発事故発生から約半年後、賠償対応の部署に異動になったとのことです。睡眠時間4時間弱の激務が続き体調不良になって会社に労災申請しようとしたそうです。ところが会社には全く相手にされず、やむなく休職した結果昨年11月に解職となったとのこと。
会社は従業員に対する安全配慮義務があります。したがって、転勤や異動によって強度の心理的負荷を従業員に与えてはなりません。記者会見の様子を見ると一井さんはまじめな方に見えましたが、こういう方こそ働き過ぎに気を付けないといけないですね。長時間労働の挙句ふと気が付いてみるとうつ病になっていたということもありうるからです。
最近、医学的知見の蓄積により、長時間労働と健康障害との因果関係が明らかになってきました。特に、脳・心臓疾患およびうつ病など精神疾患の発症と密接に関連があると言われています。1か月に100時間超の残業や、2か月間ないしは6か月間で1か月あたり80時間超の残業はこれらの発症リスクを急激に高めると言われています。このことを知っておくことは、自分の身を守るためにも非常に重要なことなのです。
事態が悪化する前に会社にどんどん改善を求めていきましょう。